当初、9月22~24日で後立山連峰・不帰越え予定でしたが、核心となる、なか日(23日)の予報が芳しくないのを受けて計画変更。懸案でもあった高妻山(たかつまやま、2353m)を訪ねました。
高妻山は戸隠連峰の最高峰にして、ご存知の通り深田百名山にも名を連ねる一峰。やはり山間部はイマイチの天候だったという23日は、戸隠キャンプ場入りのみ。翌24日、キャンプ場を5時にスタートして一不動~五地蔵山~山頂往復~弥勒新道下山で周回しました。
標高差は1200m余。登山地図にあるコースタイムは山頂まで約5時間、下りで4時間弱。焦らず急がず、秋を愉しみながらの実行動は10時間を超えました。標高差もあり(高度差1200m余)、距離も長く、登り下りも多く、鎖場や路肩の切れたヤセ尾根あり・・・。ある程度、健脚かつ山馴れた人に向くという、けして楽な山でがありませんが、天を突く山頂部のカッコよさと美しさ(見る方角によっては、乙妻山とあわせて台形にも見えるんですよ!)、隔絶感さえある山深さ、そしてトータルかつ確実な「歩き」の技術が試される充実度の高い佳き山でした。
以下、ヒラタが感じた「高妻山登山」のポイントやお役立ち?情報です。

 ●【戸隠―紅葉前線】紅葉の進み具合としては、五地蔵山のあたりが「フライング」的な?早さで素晴らしい色づきでしたが、本格的な山上の紅葉は、9月末~10月上旬でしょうね。ついで一不動、五地蔵山下の中腹部へと移ろうでしょう。
 ●【計画のポイント】とにかく行程(行動時間)が長い。前夜、山麓泊として、早朝5時前後には登山を開始したいですね(これからの季節、日の出前だと大洞沢コースが分かりにくい?かもしれませんが、大きな沢でもなく、あくまで沢沿いなので大丈夫かな? テープを追って・・・)。もちろん軽量化は重要要素です(トレラン仕様の軽量装備でスピードアップという方も多かったですが、これからの季節、天候を見極めないと危険なことも。防寒着はもとより、ちょっとした非常装備は持っていると安心です。想定した実行動時間+何かあった時のための予備時間も加えて計画しましょう)。
 ●【前泊に関して】前泊宿には事欠かない戸隠周辺。今回、私たちは戸隠キャンプ場のバンガローを利用し、気ままに自炊としました。キャンパーに人気の戸隠キャンプ場ですが、4~5人収容のバンガローでこの時期、5,000円とリーズナブル。電灯なし。畳1.5畳+2段ベッド式の畳スペース4人分。照明やAC電源ありのログキャビン<5人用>(新しめでとてもきれい!)でも9,000円です。なおキャンプ場の受付は17時までですのでご注意。マイカー駐車に際しては、県道沿いに登山者用の駐車場がありますが、事前にキャンプ場で駐車料金500円を払って駐車証をもらえば、キャンプ奥の牧場入口ゲート前の駐車スぺース(トイレ、水場あり)に車をとめてをスタートすれば、往復で30分程度ではありますが行程短縮にはなります。なおキャンプ場は10月29日まで(宿泊は28日まで)。戸隠高原周辺にはコンビニがありません。キャンプ食材や行動食などは、キャンプセンターの売店や地元の商店での購入となりますが、店舗も営業も限られますので注意。山麓部で調達していけば確実です。
 ●【コースに関して】一不動目指す大洞沢沿いのルートは、基本「登りで使用ください」とされています(もちろん戸隠縦走の方などは、下りで使わざるを得ないのですが)。沢沿いでやや荒れ気味。大雨の直後などの使用は避けたほうがいいでしょう。ルートの上部で、顕著な鎖場が2か所。とくに2つ目の鎖場は要注意です。そこは・・・不動滝左岸側から右斜上する長い鎖(見た目より足場よし)を終えた後の2mほどの直上箇所で、濡れているといやらしいかもしれません。心配であれば簡易ハーネスなどを装着の上、鎖に確保をとっておけば万全です。一不動から五地蔵山への戸隠主稜線は、折々で眺望に恵まれていて気持ちよい登高です。ただし、「二釈迦」の先と「四普賢」のあたりは右手、戸隠牧場側が切れ落ちていますので、注意して通過しましょう。山頂直下は非常に急峻なガリー(岩溝)状。手すり的にロープが張られていますので問題ありませんが、すれ違いがやや面倒です。譲り合って通過しましょう。この部分、とくに下りは浮石によるスリップや捻挫、落石を起こさないよう注意。下山に際しては、六弥勒から分岐する「弥勒新道」を推奨しています。戸隠牧場まで続くなが~い尾根道で、下り始めと中間部の2カ所に急斜面があるものの、きれいなブナやダケカンバ林も秘め、コースとしてもごくごく自然な(妥当性のある)よいラインです。7~8時間歩いてきた後では、辛く、長くも感じるところです。急な箇所では、竹や木の根、岩の段差に足を取られないようにしましょうね。
では、よき山旅を!

五地蔵山(六弥勒分岐)付近尾色づきは、素晴らしいものがありました!

大洞沢コース上部の鎖場(2箇所目、右斜上の長い鎖)

一不動~五地蔵山への稜上から仰ぐ高妻山山頂部は、印象的なピラミッドで仰がれます

樹間に臨む後立山連峰(白馬三山から鹿島槍へ)